事業開始に要する資金及び調達方法を記載した書類の作成方法
このページでは、一般貨物自動車運送事業の許可申請において必要である事業開始に要する資金及び調達方法を記載した書類の作成方法について解説しています。
運送業を始める場合に必要な資金は、車両数、従業員数等の事業の規模により大きく変わることになります。
その必要な資金をある程度正確に見積もり、十分な自己資金を有していることを確認必要があります。
ここで解説する「事業開始に要する資金及び調達方法」を記入していくことで、必要な資金を見積もることができます。
この書類は、許可申請のための書類というだけではなく、必要な資金を見積もることのできる有用な者として実際の事業計画に役に立てましょう。
ただし、許可の審査という観点からは、実際の事業がこの計画通りになっているかどうかは全く問われませんので、あくまでも事業開始前の計画であり、事業を行っていくうえで状況に応じて変更することになることの方が多いでしょう。
事業開始に要する資金及び調達方法を記載した書類の様式は次のとおりです。
それでは、記入方法を解説していきましょう。
(1)人件費の(2)(3)(9)(15)(16)(21)の合計を記入します。
(2)役員報酬を記入します。月額報酬×6か月分×人数です
(3)j従業員の給与を記入します。(4)から(8)の合計です。
(4)運転手の給与を記入します。運転者数×月額×6か月分です。
(5)運行管理者の給与を記入します。運行管理者数×月額×6か月分です。
(6)整備管理者の給与を記入します。整備管理者数×月額×6か月分です。
(7)事務員の給与を記入します。事務員数×月額×6か月分です。
(8)その他の給与を記入します。人数×月額×6か月分です。(4)から(7)以外の従業員に関するものです。なければ0円で良いです。
(9)~(14)運行管理者や整備管理者等役職によって手当を出すのであれば、(3)から(8)の要領で記入します。
(15)賞与の金額を記入します。給与月額×月数×回数×1/2(6か月分)です。
(16)法定福利費の金額を記入します。(17)から(20)の合計です。
(17)健康保険料を記入します。事業者負担率は、都道府県ごとに毎年度異なり、全国健康保険協会のホームページにより確認できます。
(18)厚生年金保険料を記入します。事業者負担率は、日本年金機構のホームページ等で確認できます。
(19)雇用保険料を記入します。事業者負担率は、毎年見直されます。厚生労働省等のホームページで確認できます。
(20)労災保険料を記入します。事業者負担率は、数年ごとに見直されますが、厚生労働省等のホームページで確認できます。
(21)厚生福利費を記入します。給与+手当+賞与の2%を見込みます。
(22)燃料費を記入します。全車両の月間走行距離÷燃費×燃料単価×6か月分です。
(23)油脂費を記入します。燃料費の3%です。
(24)修繕費を記入します。(25)から(27)の合計です。
(25)外注修理費の概算を記入します。6か月分です。
(26)直修繕費・部品費を記入します。(25)と同じくあくまでも概算で、6か月分を記入します。
(27)タイヤ・チューブ費を記入します。月間使用本数×単価×6か月分です。
(28)車両費を記入します。運送用車両の入手にかかった費用です。(29)(30)の合計です。
(29)購入した場合の金額を記入します。分割払いの場合は、頭金及び1年分の割賦金を記入し、一括払いの場合は取得金額を記入します。
(30)リースの場合、1年間のリース料を記入します。
(31)営業所、車庫等の施設購入または使用料を記入します。
もともとの自己所有物件の場合は、0円となります。
分割払いの場合は、頭金及び1年分の割賦金を記入し、一括払いの場合は取得金額を記入します。
賃借の場合は、賃借料の1年分を記入します。
(32)什器、備品費の取得金額を記入します。すでにお持ちのものを利用する場合は0円になります。
(33)施設賦課税の額を記入します。ここでいうし越とは事業用自動車のことをいっています。(42)(43)の合計金額です。
(34)事業用自動車の保険料を記入します。(45)(46)の合計です。
(35)登録免許税の金額を記入します。一般貨物自動車運送事業の許可申請では120,000円です。
(36)その他費用の概算2か月分を記入します。
(37)上記の合計金額を記入します。
これが運送業を開始するために必要な資金の合計金額になります。
(38)自己資金の金額を記入します。
(37)の金額以上でなければなりません。
(39)車両積載量は車検証のとおりに、計画しているすべて事業用車両についての記入します。
(40)車両総重量も同様に車検証のとおりに記入します。
(41)取得価格を記入します。
・一括購入の場合は全額
・割賦払いの場合は、頭金及び1年分の割賦金
・リースの場合は、リース料の1年分
もともと所有していた自動車を利用する場合は、0円になります。
(42)自動車税の金額を記入し、合計金額を記入します。
(43)重量税の金額を記入し、合計金額を記入します。
(44)環境性能割の金額を記入し、合計金額を記入します。
(45)自賠責保険の保険料の金額を記入し、合計金額を記入します。
(46)任意保険の保険料の金額を記入し、合計金額を記入します。
(47)自己資金の預貯金額を記入します。
(48)その他流動資産で自己資金になり得るものは、売掛金が考えられます。運輸局の窓口担当者に確認をしたうえで記入します。
(49)そのほか自己資金として考えられるものがあれば、運輸局の窓口担当者に確認をしたうえで記入します。
(50)自己資金の合計金額を記入します。