一般貨物自動車運送事業の整備管理者の選任について
このページでは、一般貨物自動車運送事業において必要とされる整備管理者について解説しています。
運送業の許可を取得するためには、整備管理者を原則として営業所ごとに置かなければなりません。 事業用自動車の整備、点検等安全な運行に欠かせない存在です。整備管理者とは
一般貨物自動車運送事業を営む者は営業所ごとに一定の要件を備えるものを選任し、必要な権限を付与し、自動車の点検・整備及び自動車車庫の管理に関する事項を処理させなければならないとされています。
この「一定の要件を満たすもの」が整備管理者といわれる者です。
整備管理者の必要人数
運行管理者のように運転者に応じた人数が規定されているわけではなく、各営業所に最低1名で構いません。
ただし、実務の上では、車両台数が増加すると一人では対応できないこともあるでしょう。
複数人の整備管理者を設置するか、整備管理補助者を置くか、事業者の運用に合わせて設定してください。
また、整備が確実に行われるのであれば、運行管理者と兼任することも可能です。
小さな事業所であれば可能でしょうが、その場合は、運行管理補助者、整備管理補助者を置き、人材育成を図りましょう。
整備管理者の業務内容
整備管理者は、整備管理規程を定め、その規定に基づき業務を行うことになります。
整備管理規定とは、安全運航を行うために必要な車両の点検・整備の内容や整備管理者の職務権限に関して定めるものです。
ひな形をトラック協会が作成しているのでそのまま使用しても構いませんし、独自に作成しても構いません。
具体的な業務の内容としては次のとおりです。
- 日常点検の実施方法を定め、それを実施、又は運転者に実施させること。
- 日常点検の結果に基づいて、自動車の運行の可否を決定すること。
- 定期点検の実施方法を定め、それを実施又は運転者に実施させること。
- 日常点検、定期点検のほか、随時必要な点検を実施すること又は整備工場に実施させること。
- 上記点検の結果必要な整備を実施すること又は整備工場等に実施させること。
- 定期点検整備及び必要な場合の整備の実施計画を定め実施すること。
- 点検記録簿、整備に関する記録簿を管理すること。
- 自動車車庫を管理すること。
- 上記を実施するため、運転者、整備員その他のものを指導・監督すること。
整備管理者に必要な資格
整備管理者として選任するためには、次のいずれかの資格要件が必要です。
- 整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の管理に関し2年以上の実務経験を有し、かつ、地方運輸支局が行う研修を修了したもの
- 一級、二級または三級の自動車整備士技能検定に合格したものであること
「整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車」とは、
・二輪自動車以外
・二輪自動車
の2種類です。
つまり、軽自動車の整備の実務経験でも一般貨物自動車運送事業の整備管理者に必要な資格を満たすことになります。
「点検又は英日に関する実務経験」とは、次のものをいいます。
・整備工場、特定給油所等における整備要員としての経験(実務作業及び指導監督経験も含む)
・自動車運送事業者の整備実施担当者としての経験
また、「整備の管理に関する実務経験」とは、次のものいいます。
・整備管理者の経験
・整備管理者の補助者として車両管理業務を行った経験
・整備責任者として車両管理業務を行った経験